morions VOL.1
2026.9.20

杜音株式会社 設立記念 ─ Concert Series

SCHUBERT TROUT QUINTET A MAJOR OP.POST.114 D667

ピアノと弦楽器のミニチュア

2026.9.20 SUN 16:00

カワイ仙台 4F コンサートサロン「ヴェルデ」

OPEN 15:00START 16:00END 18:00

01 ── Program

TODAY'S PROGRAM

本日の曲目

01 Astor Piazzolla 1921–1992

ル・グラン・タンゴ

Le Grand Tango for cello and piano

作曲 1981 献呈 M. Rostropovich 初演 1990
Violoncello佐々木 杜洋 Piano中居 瑞葉

「ル・グラン・タンゴ」は1981年の夏、ピアソラがウルグアイに持っていた別荘で書き上げられ、翌年パリで出版されました。スペイン語ではなくフランス語の題が付いているのは、そのためです。

献呈されたのは、20世紀を代表するチェリスト、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチでした。ところが届いた楽譜は書棚に置かれたまま9年が過ぎます。ようやく目を通したロストロポーヴィチはその才能に驚き、1990年、ニューオーリンズで初演しました。

曲は切れ目のない一つの楽章ですが、性格の違う三つの部分でできています。刻みの強い Tempo di tango、自由に歌う Libero e cantabile、そしておどけた Giocoso。約10分という長さは、3分前後で踊るための伝統的なタンゴをはるかに超えています。

ピアソラはタンゴの心臓部にある「3+3+2」のリズムを、さらに引き伸ばして不均等に並べ替えました。足で踊ることを拒み、耳で聴くことを求める音楽です。

02 Johannes Brahms 1833–1897

『6つの小品』より「間奏曲」Op.118-2

6 Klavierstücke Op.118 — No.2 Intermezzo in A major

作曲 1893 献呈 Clara Schumann
Piano ─ 男子演奏会Special武部 歓多

1893年、ブラームスは60歳でした。交響曲や協奏曲といった大きな器はすでに書き終えていて、この時期の彼が選んだのは、ピアノの小品という最も親密な形式です。『6つの小品』Op.118 はその一冊で、全6曲がクララ・シューマンに献呈されました。

曲は3拍子ですが、3拍目の弱起から、ためらうように入ってきます。そこに置かれた短い音型が、この曲の全体を支配します。

クララは驚くほど豊かな感情が詰まっていると評しました。

03 Astor Piazzolla 1921–1992

リベルタンゴ

Libertango

作曲 1974
Piano ─ 男子演奏会Special中川 耀太

「リベルタンゴ」は1974年、ミラノで録音・出版されました。題はスペイン語で自由を意味する「リベルタッド」と「タンゴ」を合わせた造語です。

前年の1973年、ピアソラは心臓発作で倒れ、療養と新しい拠点を求めてアルゼンチンを離れ、イタリアへ移ります。そこで彼がエージェントから求められたのは、ラジオでかかるような分かりやすい曲でした。売れる音楽を、という圧力に、彼は前衛性を手放さないまま応えます。その答えがこの曲です。

最初の録音には、エレキベース、ドラムス、ハモンドオルガン、マリンバまでが動員されました。伝統的なタンゴの編成からは完全に外れた人選です。

リベルタンゴは、私が演奏家に許す自由を表している。彼らの限界は、外からの圧力ではなく、彼ら自身の能力によってのみ決まる。

ピアソラはそう語っています。

04 P. I. Tchaikovsky 1840–1893

『くるみ割り人形』Op.71a より「花のワルツ」

The Nutcracker Suite — Waltz of the Flowers / arr. Eduard Langer, ed. Constantin von Sternberg

作曲 1892 編成 連弾(1台4手)
Piano ─ 男子演奏会Special武部 歓多 Piano ─ 男子演奏会Special中川 耀太

『くるみ割り人形』は、チャイコフスキー最後のバレエです。1892年12月にサンクトペテルブルクで初演されましたが、その前に作曲者自身が8曲を抜き出して演奏会用の組曲を編み、同年3月に指揮をしています。こちらは何曲もアンコールされるほどの大成功でした。「花のワルツ」は、その組曲を締めくくる大曲です。

曲は木管と金管による短い序奏で始まり、続いてハープの長いカデンツァが置かれます。夢のような分散和音が二度、ふっと途切れる瞬間があり、そこで緊張が生まれます。低弦がワルツを刻み出すと、4本のホルンが斉奏で主題を歌い上げる。続いてヴァイオリンが受け取り、中間ではオーボエが回想するような旋律を奏でます。最後は打楽器とハープを巻き込んで、全楽器で華やかに閉じられます。

本日演奏するのは、この管弦楽曲を1台のピアノで2人が弾く連弾版です。編曲はエドゥアルト・ランガー。モスクワ音楽院の教授を務め、チャイコフスキー作品のピアノ編曲を数多く手がけて作曲者の信頼を得た人物です。校訂はコンスタンティン・フォン・シュターンベルクによります。

05 Franz Schubert 1797–1828

ピアノ五重奏曲 イ長調 D667「鱒」

Klavierquintett A-dur Op.post.114 D667 “Die Forelle”

作曲 1819(22歳) 出版 1829(没後)
Piano中居 瑞葉 Violin田代 七菜美 Viola藤田 友喜 Violoncello佐々木 杜洋 Contrabass小野寺 悠斗

1819年の夏、22歳のシューベルトは、歌手ヨハン・ミヒャエル・フォーグルと連れ立ってウィーンを離れ、上オーストリアのシュタイアーへ徒歩旅行に出ました。生涯のほとんどを都会で過ごした彼にとって、田園でのひと夏は大きな解放だったようです。

滞在先で出会ったのが、地元の鉱山業者で、アマチュアのチェロ奏者でもあったシルヴェスター・パウムガルトナーでした。彼は自邸のサロンで演奏するための曲をシューベルトに依頼し、二つの注文を付けます。一つは、当時サロンで人気だったフンメルの七重奏曲の五重奏編曲版と同じ編成で書くこと。もう一つは、自分が愛聴していた1817年の歌曲「鱒」の旋律を使うことでした。

一つ目の注文が、この曲の響きを決めました。ピアノ五重奏曲といえば普通はピアノと弦楽四重奏ですが、ここでは第2ヴァイオリンが抜け、代わりにコントラバスが入ります。最低音を支える役目がコントラバスへ移ったことで、ピアノの左手は低音の義務から解放されました。両手がオクターブで揃って高い音域を駆ける──水面がきらめくようなあの透明な響きは、この編成から生まれています。

二つ目の注文が、第4楽章です。もとの歌曲の詩は、澄んだ小川を泳ぐ鱒を描くところから始まります。ところが後半で釣り人が現れ、わざと水を濁らせて鱒を釣り上げてしまう。無邪気な自然の情景に見えて、その裏では死が待っている詩です。

生前に出版されることはありませんでした。初版が出たのは、シューベルトが世を去った翌年、1829年のことです。

02 ── Cast

THE PLAYERS

出演者

中居 瑞葉

Piano

中居 瑞葉

仙台第一高等学校、宮城教育大学教育心理学コース卒業。宮城学院女子大学学芸学部音楽科研究生を、研究生修了リサイタルを開催し修了。桐朋学園大学大学院音楽研究科修士課程修了。

第二回ドビュッシー国際ピアノコンクール第4位。第40回JPTAピアノ・オーディションB部門地区大会優秀賞及び東北支部特別賞、全国大会優良賞。仙台フィルハーモニー管弦楽団と共演(日演連主催)。

これまでに八巻淑子、両口紗智子、手塚真人、植木由利子、鶴園紫磯子の各氏に師事。ドイツ国立シュトゥットガルト音楽大学教授によるマスタークラスを受講料免除にて受講するなど、多数のマスタークラスを受講。上田晴子、Jean-Marie Cottet、Pascal Rogé各氏の公開レッスンを受講。

宮城学院女子大学音楽リエゾンセンター認定演奏員。日本ピアノ教育連盟会員。

島村楽器音楽教室ピアノ科講師。常盤木学園高等学校講師(音楽科)。

田代 七菜美

Violin

田代 七菜美

仙台市出身。5歳よりヴァイオリンを始める。仙台ジュニアオーケストラに7年在籍。宮城教育大学音楽教育専攻卒業。同大学音楽教育専修了。在学中、多岐にわたりソロやアンサンブルで演奏活動を行う。宮城教育大学交響楽団ではコンサートマスターを務め、定期演奏会や依頼の演奏会出演に加え、山田和樹、パスカル・ヴェロ、広上淳一、五嶋龍の各氏と演奏会や講習会で共演。

これまでに熊井雅美、西本幸弘の各氏に師事。

現在、ソロ、アンサンブル、オーケストラなど幅広く演奏活動を行う。また音楽教室でのレッスンに加え、高校や大学のオーケストラ指導や全日本ジュニアクラシック音楽コンクールの審査員を務めるなど、後進の指導にも精力的にあたっている。

藤田 友喜

Viola

藤田 友喜

4歳よりヴァイオリンを始め、大学3年次よりヴィオラの演奏を始める。福島県立橘高等学校、福島大学音楽科、及び福島大学大学院音楽科卒業。

2016年にベルリンフィルハーモニー管弦楽団の元首席奏者である、ライナー・モーク氏のマスタークラスを受講。また、2016年より、毎年に渡りウィーンを訪れ、ウィーン音楽大学教授であるゲオルク・ハーマン氏のプライベートレッスンを受ける。

2019年7月から10月にかけて仙台フィルハーモニー管弦楽団の演奏会に客演奏者として出演。現在は、フリーランスとして、オーケストラや室内楽の演奏会に出演するなど演奏活動を行う。

2019年より藤田ヴィオラ・ヴァイオリン教室を主宰し、全日本ジュニアクラシック音楽コンクールの審査員を務めるほか、福島高校、福島県立医科大学、醸芳小学校の部活指導を行うなど、後進の指導にも力を入れている。

これまでにヴァイオリンを保井頌子、ヴィオラを井野邊大輔、室内楽を金谷昌治、各氏に師事。

佐々木 杜洋

Violoncello

佐々木 杜洋

仙台市在住。常盤木学園高等学校音楽科、山形大学音楽芸術コース、同大学院音楽芸術分野卒業。

2026年に杜音株式会社を設立。「みんなに音楽を」をミッションとし、弦楽器専門店“杜音バイオリン”、音楽教室“杜音ミュージック”、YouTubeチャンネル“杜音スタジオ”など、多角的な音楽事業を展開する。

2021年に弦楽ロックバンド“VA/VC”を結成。ライブやイベントなどで活動し、定禅寺ストリートジャズフェスティバル、島村楽器弦楽器フェスタなどに出演する。

これまでに塚野淳一、北本秀樹、久良木夏海の各氏に師事。山形大学と山形交響楽団の連携による音楽教育推進事業にて、鈴木秀美氏の公開レッスンを受講。

Spotify他にて、ポッドキャスト“佐々木杜洋のスタジオ”を配信中。

小野寺 悠斗

Contrabass

小野寺 悠斗

宮城県大和町出身。9歳よりコントラバスを始める。

題名のない音楽会“山田和樹が育む未来オーケストラ”、全国音楽高等学校合同オーケストラなどに出演。

第38回宮城県管打楽器ソロコンテスト、JBA東北大会中学生の部金賞。全日本管楽コンクール奨励賞。

これまでにコントラバスを名和俊、谷口正美に師事。ジュニアオーケストラでは亀子政孝、田中洸太郎、髙橋彗希の各氏の指導を受ける。

男子演奏会Special

Guest

男子演奏会Special

「声に出して笑える演奏会」をコンセプトに、常盤木学園高等学校卒業生・在校生有志をはじめ、宮城にゆかりのある男子を集めた演奏家集団。

Piano中川 耀太 Piano武部 歓多
中川 耀太

Piano ─ 男子演奏会Special

中川 耀太

宮城県出身。常盤木学園高等学校・武蔵野音楽大学を卒業。

ピアノを深谷清子、尾形牧子、コッホ中村幸子各氏に師事。

幼少より青少年ピアノコンクール、ピティナピアノコンペティション、夢コン、KOBE国際コンクールに出場し全国大会入賞、受賞歴多数。

現在は中学校で音楽の教鞭を執りつつ、「声を出して笑えるクラシックのSHOW」を目指して男子演奏会Specialを主催しながら演奏活動を行なっている。

武部 歓多

Piano ─ 男子演奏会Special

武部 歓多

青森県八戸東高等学校表現科卒業。岩手大学教育学部音楽科をピアノ専攻で卒業。幼稚園・小学校・中学校(音楽)・高等学校(音楽)のそれぞれ1種免許状を取得。

2歳よりピアノをはじめ、これまでに佐藤彦大、多賀谷祐輔、藤井亜紀、大清水美紀子の各氏に師事。6歳よりドラムをはじめ、安ケ平勇人氏に師事。声楽を谷地畝(吉村)晶子、米谷毅彦、在原泉の各氏に師事。

現在は仙台市の公立中学校音楽科教諭。音楽教育と吹奏楽の指導に力を注いでいる。また、コンサートやコンクールの伴奏等、積極的な演奏活動を行っている。

八戸新人演奏会、仙台ひと・まち交流財団主催のコンサート、仙台クラシックフェスティバル関連事業など多数出演。

03 ── Information

TODAY AT VERDE

本日のご案内

Date

2026.9.20 SUN

開場 15:00/開演 16:00/終演 18:00

前半と後半の間に休憩を挟みます。

Venue

VERDE

カワイ仙台 4F コンサートサロン「ヴェルデ」
〒980-0911 宮城県仙台市青葉区一番町四丁目3-28

地下鉄南北線「広瀬通駅」徒歩5分/地下鉄東西線「青葉通一番町駅」徒歩5分

Organizer

Morion Inc.

主催:杜音株式会社
TEL 050-1125-2898
MAIL studio@morionviolin.com

Notes

  • 未就学児の入場はできません。
  • やむを得ない事情により出演者・曲目等が変更になる場合がございます。
  • 客席内での写真撮影・録音・録画はご遠慮ください。
  • 携帯電話等は電源をお切りいただくか、マナーモードに設定をお願いいたします。

04 ── About

杜音株式会社

「みんなに音楽を」をミッションとし、2026年2月に創業。仙台発の音楽プラットフォーマーとして、多角的な音楽事業を展開しています。